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被爆証言のアニメに反響 「OBON」 動画サイトで47万回再生

 広島の爆心地から260メートルの近距離で被爆した高蔵信子(あきこ)さん(2020年に94歳で死去)の証言を基に制作されたドイツの短編アニメ映画「OBON(お盆)」が海外で注目されている。昨春、ニューヨーク・タイムズがコンテンツを購入し動画サイト「YouTube」で公開。47万回以上が再生されている。

 19歳だった高蔵さんは、勤め先の芸備銀行(現広島銀行)本店で被爆した。約15分の本作では、被爆体験や厳格だった父の思い出を語る高蔵さんの肉声が流れる。爆心地付近で目にした凄絶(せいぜつ)な光景だけでなく、家族の絆なども描く。

 ドイツ人プロデューサーのアンドレ・ヘアマンさん(48)とロシア出身のアニメーター、アンナ・サモさん(44)の共同制作。12年に高蔵さんの証言を聞き、6年かけて完成させた。動画サイトに「次世代と共有すべきだ」など約1500件のコメントが寄せられた。

 制作に協力した広島フィルム・コミッションの西崎智子さんは「作品は高蔵さんのオーラル・ヒストリー(口述記録)だ。父娘の何気ない会話を入れるなど海外の視点も参考になる」と話す。https://www.youtube.com/watch?v=M64VRRiBhYI(桑島美帆)

(2024年10月7日朝刊掲載)

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