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韓国の看護師 原爆被害学ぶ HICARE 広島で研修

 韓国の看護師3人が7日、広島市中区の広島赤十字・原爆病院を訪れ、米軍による原爆投下時の被害や救護について学んだ。同日始まった、広島県や市などでつくる放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(HICARE)の研修の一環。

 藤田直人副院長から、原爆の威力や爆心地からの距離による放射線量の違いの説明を受けた。当時の広島赤十字病院では職員の1割ほどが亡くなり、約半数が重軽傷を負いながら、建物が残った数少ない医療機関として救護に尽くした歴史に触れた。爆風でゆがんだ旧本館の鉄製の窓枠なども見学した。

 3人は韓国で別々の病院に勤務し、中には在韓被爆者が受診する病院もあるという。ソウル赤十字病院の李世熙(イセヒ)さん(50)は「被爆者の置かれた背景をよく理解し、ケアに当たるのが大切だと感じた」と力を込めた。

 研修は10日まで続き、広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の教授による講義などを受ける。 (下高充生)

(2024年10月8日朝刊掲載)

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