福山空襲 記憶つなぎ10年 市民団体 ピース・ナビ 証言集作成や講演会
24年10月13日
福山市人権平和資料館(丸之内)を拠点に活動する市民団体「ふくやまピース・ナビ」が、発足10周年を迎えた。戦後80年を前に被災者の高齢化が進む中、福山空襲の記録の継承や平和の普及活動に力を入れる。
団体は2014年に結成し、現在は40~80代の12人が活動する。戦争や福山空襲体験者の証言集の作成や、市内の戦争遺跡巡りのガイドに取り組んできた。20年には市民から読み句を募り、戦時中の体験や平和への願いをまとめた「ふくやま平和カルタ」も作った。
10周年を記念し、9月末には同館で講演会を開催。戦時下の福山の子どもたちの暮らしぶりを研究する藤井和寿さん(77)=引野町=が住民たち約40人を前に、家族で旧満州(中国東北部)に渡り約半数が命を落とした常金丸開拓団(新市町)などについて解説した。
同団体のメンバーで唯一、福山空襲を体験した森近静子さん(86)=野上町=は「世界各地で戦闘が続く中、体験を鮮明に思い出す。できる限り語り継ぎたい」。井崎育子代表(67)=水呑町=は「今が体験者から証言を聞き取る最後のチャンスだと胸に刻み、活動を続ける」と決意を新たにしている。(原未緒)
(2024年10月13日朝刊掲載)
団体は2014年に結成し、現在は40~80代の12人が活動する。戦争や福山空襲体験者の証言集の作成や、市内の戦争遺跡巡りのガイドに取り組んできた。20年には市民から読み句を募り、戦時中の体験や平和への願いをまとめた「ふくやま平和カルタ」も作った。
10周年を記念し、9月末には同館で講演会を開催。戦時下の福山の子どもたちの暮らしぶりを研究する藤井和寿さん(77)=引野町=が住民たち約40人を前に、家族で旧満州(中国東北部)に渡り約半数が命を落とした常金丸開拓団(新市町)などについて解説した。
同団体のメンバーで唯一、福山空襲を体験した森近静子さん(86)=野上町=は「世界各地で戦闘が続く中、体験を鮮明に思い出す。できる限り語り継ぎたい」。井崎育子代表(67)=水呑町=は「今が体験者から証言を聞き取る最後のチャンスだと胸に刻み、活動を続ける」と決意を新たにしている。(原未緒)
(2024年10月13日朝刊掲載)