核なき世界 前進期待 広島 平和公園訪れた市民ら
24年10月13日
日本被団協のノーベル平和賞受賞が発表されて一夜明けた12日、広島市の平和記念公園(中区)を訪れた市民や旅行者たちに、核兵器も戦争もない世界への前進を期待する声が広がった。
南区の会社員、鈴木博之さん(57)はランニング中に立ち寄った。「核兵器廃絶へ光が差した気がする。今朝は気分が良くて、いつもより長く走れた」と声を弾ませた。
国内外からの訪問者も受賞の喜びを分かち合った。市の姉妹都市ドイツ・ハノーバー市から交流事業で訪れた建築家ユッタ・ロールさん(66)は「世界で戦争が起きている今、受賞するのが重要。欧州でも若い世代が核兵器の問題に関心を高めるきっかけになる」と受け止めた。
演出家の宮本亜門さんは仕事で市内を訪問中だった。「タイミングが重なり驚いた。自身の被害を思い出し語り続けるのは苦しくつらいこと。勇気ある行動だ」と日本被団協をたたえ、日本政府には「唯一の戦争被爆国として核兵器を持つのも使うのもいけないと大きな声で世界へ言ってほしい」と注文した。
今後、被爆者が老いる中、被爆の記憶の継承が一層重要になる。大阪市の大学教員木村清子さん(55)は母の渡部千枝子さん(85)の被爆体験を受け継ぐ「家族伝承者」の研修中。「既に多くの被爆者が亡くなり、母は受賞に複雑な思いのようだった。次代に伝える使命をより強く感じる」と決意を新たにしていた。(川上裕、神田真臣)
(2024年10月13日朝刊掲載)
南区の会社員、鈴木博之さん(57)はランニング中に立ち寄った。「核兵器廃絶へ光が差した気がする。今朝は気分が良くて、いつもより長く走れた」と声を弾ませた。
国内外からの訪問者も受賞の喜びを分かち合った。市の姉妹都市ドイツ・ハノーバー市から交流事業で訪れた建築家ユッタ・ロールさん(66)は「世界で戦争が起きている今、受賞するのが重要。欧州でも若い世代が核兵器の問題に関心を高めるきっかけになる」と受け止めた。
演出家の宮本亜門さんは仕事で市内を訪問中だった。「タイミングが重なり驚いた。自身の被害を思い出し語り続けるのは苦しくつらいこと。勇気ある行動だ」と日本被団協をたたえ、日本政府には「唯一の戦争被爆国として核兵器を持つのも使うのもいけないと大きな声で世界へ言ってほしい」と注文した。
今後、被爆者が老いる中、被爆の記憶の継承が一層重要になる。大阪市の大学教員木村清子さん(55)は母の渡部千枝子さん(85)の被爆体験を受け継ぐ「家族伝承者」の研修中。「既に多くの被爆者が亡くなり、母は受賞に複雑な思いのようだった。次代に伝える使命をより強く感じる」と決意を新たにしていた。(川上裕、神田真臣)
(2024年10月13日朝刊掲載)