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長岡さん遺影登録 原爆資料館 初代館長 平和祈念館

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は15日、原爆資料館の初代館長を務めた長岡省吾さん(1973年に71歳で死去)の遺影を登録したと発表した。

 祈念館などによると、広島文理科大(現広島大)地質学教室に所属していた長岡さんは45年8月6日、地質調査のため今の山口県上関町にいた。「ドン」という音を聞き、きのこ雲を目撃。翌7日、大学に戻った。

 その後、広島県玖波町(現大竹市)の自宅と広島市内を行き来しながら原爆の熱線にさらされた石や瓦を収集し、調査した。49年から資料館の前身の原爆参考資料陳列室に勤務。55年の資料館開館で館長に就いた。

 六女の中山叔子さん(91)=福岡県飯塚市=が祈念館の証言ビデオの制作に協力したのを機に、遺影を提供した。自らも玖波の学校で原爆による負傷者の救護に当たり被爆。戦後は被爆者の相談員を務めてきた。「戦争や原爆は絶対にあってはいけない」と訴え、日本被団協のノーベル平和賞受賞決定も喜んだ。

 被爆者の遺影の登録は同館☎082(543)6271。(下高充生)

(2024年10月16日朝刊掲載)

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