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地方紙記者 ヒロシマ問う 今夏講座参加の10人 各紙に特集や連載

 広島市が「原爆の日」に合わせて全国の地方紙記者を招く国内ジャーナリスト研修「ヒロシマ講座」に今夏は10社10人が参加した。市平和推進課に届いた各紙報道からは、それぞれの地域に引き寄せてヒロシマについて考えた記者たちの熱意が伝わってくる。

 参加したのは北は北海道新聞から南は琉球新報まで23~38歳の記者。7月28日~8月7日、被爆証言や専門家の講話に耳を傾け、原爆資料館や関連行事も取材した。

 各紙とも8月6日の平和記念式典に地元から出席した被爆者や遺族代表、広島で継承に取り組む地元出身者らを取り上げ、特集や連載などで紹介している。

 秋田魁新報の三浦正基記者は「ヒロシマからの問い」と題し、地元秋田でも薄らぐ戦争の記憶をいかに次代につなぐか5回連載で執筆。記者が高校生の時、地元で被爆証言を聞き、広島での再会を願っていた被爆者がすでに亡くなっていた現実を前に、歳月の重みや継承の手だてを考える。

 信濃毎日新聞の馬場響記者は連載で被爆地の今をルポ。市が今年、入場規制エリアを平和記念公園全体に広げた式典の現状や、同公園と米ハワイのパールハーバー国立記念公園の姉妹公園協定に対する批判などを被爆者の声と共に取り上げた。

 大分合同新聞の富高萌南実記者は、2011年まで別府市にあった「原爆被爆者別府温泉療養研究所」を糸口に被爆者の温泉保養施設に光を当て現状や課題を探った。各地の若手記者の視点が、被爆地にも新たな気づきを与えてくれる。  (森田裕美)

(2024年10月21日朝刊掲載)

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