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[被団協ノーベル平和賞] 田中熙巳さん 演説へ 12月に授賞式で

 ノルウェーで12月10日にある日本被団協へのノーベル平和賞授賞式で、被団協代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(92)=埼玉県新座市=が演説すると決まった。ノーベル賞委員会がウェブサイトで明らかにした。

 田中さんはオスロ市庁舎である授賞式に複数の被団協役員と出席する。ノーベル賞委員会のフリードネス委員長による歓迎スピーチもあり、賞状と金メダルを受け取る。

 田中さんは爆心地から3・2キロの長崎市の自宅で被爆。親族5人を失った。東北大で研究者となり、1970年代から本格的に被団協の活動に加わった。85年に事務局長。いったん退いた後、同大退職後の2000年に再び事務局長に就いた。17年からは代表委員を務めている。

 17年に非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))がノーベル平和賞を受けた際は、広島市で被爆しカナダに住むサーロー節子さん(92)が演説した。広島市の松井一実市長も出席した。

 被団協は28日、受賞決定を受けた声明を出した。「核兵器の廃絶を求め、自らの苦しい体験の証言を通して訴え続けてきた被爆者の働きが高く評価された」と歓迎。「若い世代への継承を願い、一層頑張ることを誓う」と結んでいる。(宮野史康)

(2024年10月29日朝刊掲載)

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