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被爆した留学生と広島市民の絆語る 中区 98歳栗原さん、東南アジアの23人に

 広島文理科大(現広島大)に留学中、広島市内で被爆した南方特別留学生と市民の絆をテーマにした講座が26日、中区の原爆資料館であった。国内の大学や大学院で学んでいる東南アジア出身の留学生23人が参加した。

 南方特別留学生は当時、東南アジア各地から派遣されていた。冒頭では、被爆直後に数日間、留学生と野宿して過ごした栗原明子さん(98)=安芸区=の被爆証言ビデオを上映。栗原さんが行方不明の父を捜している時、留学生に励まされたことなどを語る様子が映し出された。

 この日は栗原さんも会場に駆けつけ「命は一つだけ。つらいときでも命を大切に」と呼びかけると、拍手に包まれた。インドネシアから東洋大大学院(東京)に留学中のラハユ・ラフマンさん(33)は「私たちも日本と母国の絆をつないでいきたいと思った」と話していた。

 広島大職員の平野裕次さん(53)による解説もあり、南方特別留学生9人のうち8人が被爆し、2人が亡くなったことなどを紹介した。東南アジアの留学生の支援団体「アスジャ・インターナショナル」と外務省が主催した。(頼金育美)

(2024年10月27日朝刊掲載)

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