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ノーベル平和賞 発表の瞬間に同席 「思いつながる強さ」実感 井原の高校生 佃さん 若い世代の役割 再確認

 ノーベル平和賞発表を待つ日本被団協の箕牧(みまき)智之代表委員(82)が、「日本被団協」の声を聞いた途端、目を丸くして驚きの表情に変わった。「室内の空気が一気に熱くなり、人の思いがつながる強さを感じた」。箕牧さんの真横で歴史的瞬間に立ち会った、高校生平和大使の佃和佳奈さん(16)=福山暁の星女子高2年、井原市西江原町=が報道各社のインタビューで振り返った。(西均)

 広島県内の大使3人は発表のあった11日夕、広島市役所に集まって発表をスマートフォンのライブ配信で見守った。受賞を知った瞬間、佃さんも驚いて手で口元を覆った。

 祝福の電話で喜びを分かち合う箕牧さん。「夢の夢。うそみたいだ」と涙を流す姿に、「思い出したくない記憶をたどり、被爆者が時間と場所を超えてつながってきた結果だ」と実感したという。

 佃さんは原爆に関する本や映画、平和を願ってバラを折る学校での「折りばら」活動を通じ、「一歩踏み出して、平和の種をまく大切さ」を痛感。平和大使に応募した。

 毎月1回、広島市中区の平和記念公園で核兵器廃絶を訴える署名活動を続ける。8月にはスイスを訪れ、国連欧州本部に9万6千筆を届けた。「被爆体験を自分ごととして捉え、若い世代が声を上げていきたい」と役割の大切さを語る。

 佃さんの主な発言は、11月15日発行の「広報いばら」にも掲載される。

(2024年10月26日朝刊掲載)

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