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[被団協ノーベル平和賞] 「全ての被爆者に贈りたい」 フリードネス委員長インタビュー

 日本被団協(東京)へのノーベル平和賞授与を決めたノルウェー・ノーベル賞委員会のヨルゲン・フリードネス委員長(39)が28日夜、中国新聞のインタビューにオンラインで応じた。「亡くなった方たちを含め、体験を語り、核兵器なき世界を訴えてきた全ての被爆者に贈りたい」と強調した。

 委員5人の長を務め、11日の発表時に授賞理由を読み上げたフリードネス氏。被爆者の功績について「自分たちの物語を何度も語り続けることで『核のタブー』を確立し、維持してきた。被爆の記憶を見事に次世代に引き継いでいるのも素晴らしい」とたたえた。

 1980年代から何度も平和賞候補として取り沙汰されてきた被団協。フリードネス氏は今年、授与する背景に、国際情勢の緊迫化を挙げた。ウクライナや中東情勢に触れ「核使用の脅威がますます高まっている」と指摘。日本を含む各国の政治指導者に向け「今こそ、全人類のために被爆者の声を聞くべきだ。なぜ核なき世界が必要か、彼らは思い起こさせてくれる」と訴えた。

 自身は訪日経験がないという。2人の子どもと共に「いつか広島を訪ねたい」と話した。(編集委員・田中美千子)

(2024年10月30日朝刊掲載)

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