×

ニュース

被爆者「核廃絶へ行動を」 広島 国際情勢 影響不安視も

 米大統領選で勝利した共和党候補のドナルド・トランプ前大統領に対し、被爆地広島の被爆者や市民は6日、核超大国のトップとして核兵器廃絶に向けた行動を起こすよう求めた。緊張が激化する中東をはじめとした国際情勢への影響を不安視する声も出た。(野平慧一、川上裕)

 広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(82)は「米国が軍縮か軍拡かどっちの方向に進むか皆目分からないが、被爆者としては戦争も核兵器もない世界を目指してほしい」と力を込めた。一方、前回の在任中には臨界前核実験を繰り返しており「核兵器があるから世界が安定しているという考えがあるのでは」と警戒する。

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(80)は日本被団協のノーベル平和賞受賞決定を受け「広島に来て被爆者の声を聞いてほしい」と要請。北朝鮮とは前回在任中に非核化交渉が進んだ時期もあり、「予想外のことが良い方向に働けばいい」との受け止めも示した。

 広島市中区の原爆ドーム前では、この日も市民がイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に抗議した。

 参加した市民団体「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)共同代表の田中美穂さん(30)は、トランプ氏がイスラエルによるイランへの報復を巡って核施設への攻撃に触れた点を懸念。「軽率な発言が多く、核廃絶がより難しくなった。先が見通せない」と案じた。

(2024年11月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ