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核廃絶へ力 先人の歩み語る 広島市原爆被害者の会 中区で結成40年の集い

 広島市原爆被害者の会は9日、結成40年を記念した「先人を語る会」を中区の大手町平和ビルで開いた。これまでの歩みを振り返り、核兵器廃絶や被爆者援護への決意を新たにした。

 約40人が参加した。田中聡司副会長(80)が、被爆体験集の作成や勉強会の開催などこれまでの活動を紹介。2代目会長で、ノーベル平和賞受賞が決まった日本被団協の代表委員も務めた故坪井直(すなお)さんの写真を示し「情熱で語るタイプで子どもたちに人気があった」としのんだ。初代会長の故瀬戸高行さんや3代目の故片山春子さんたちの活動にも触れた。

 会員たちもゆかりのあった先人について語った。原田浩副会長(85)は、広島被爆者団体連絡会議(被団連)事務局長を務めた故近藤幸四郎さんたちのエピソードを披露。1990年代、被爆者団体と外務省事務次官との間で、核軍縮などに関する意見交換の場を設けるよう市に求め、実現に至ったとして「平和行政は市の主導ではなく、市民一人一人が支えていくことが大切だ」と強調した。

 会は県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)の地域組織で、84年11月10日に結成。現在の会員は200人余りで被爆2世、3世たちも参加している。(下高充生)

(2024年11月10日朝刊掲載)

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