けいざいトリビア ロジコムHD(広島市東区)の傘鶴 伝統に平和の願い込め
24年11月14日
昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)。各国首脳の配偶者たちが厳島神社(廿日市市)の大鳥居をバックに、和傘「傘鶴(さんかく)」を差して記念撮影をした。この傘を提供したのは自動車部品輸送のロジコムホールディングス(HD、広島市東区)。今年1月から一般向けに販売を始めたと聞き、売れ行きを尋ねた。
組み立て4ヵ月
日傘用で1本22万円。生地には山陰地方の工房で作った手すき和紙を使い、平和記念公園(中区)に手向けられた折り鶴の紙片も混ぜ込む。広島県内の和傘職人が約4カ月かけて1本を組み立てている。
地元の職人の伝統技術と平和への願いを詰め込んだ自信作だが、これまでに売れたのは9本。担当の大杉信也主査は「まだまだ周知が足りない」と語る。
ロジコムHDが車の電動化に伴う部品の減少を見据え、新しい自社ブランドを育てるため企画した。和傘には、大竹市の手すき和紙や雨仕様の撥水(はっすい)コートの活用を試みる。さらに7月からは、おりづるタワー(同)でA3、A4サイズの和紙「紙鶴(しかく)」も販売。観光客らに手紙やポチ袋での利用を提案する。
大杉主査は「原爆投下100年の2045年に、広島を代表する平和のアイテムにしたい」と強調する。(黒川雅弘)
(2024年11月14日朝刊掲載)
組み立て4ヵ月
日傘用で1本22万円。生地には山陰地方の工房で作った手すき和紙を使い、平和記念公園(中区)に手向けられた折り鶴の紙片も混ぜ込む。広島県内の和傘職人が約4カ月かけて1本を組み立てている。
地元の職人の伝統技術と平和への願いを詰め込んだ自信作だが、これまでに売れたのは9本。担当の大杉信也主査は「まだまだ周知が足りない」と語る。
ロジコムHDが車の電動化に伴う部品の減少を見据え、新しい自社ブランドを育てるため企画した。和傘には、大竹市の手すき和紙や雨仕様の撥水(はっすい)コートの活用を試みる。さらに7月からは、おりづるタワー(同)でA3、A4サイズの和紙「紙鶴(しかく)」も販売。観光客らに手紙やポチ袋での利用を提案する。
大杉主査は「原爆投下100年の2045年に、広島を代表する平和のアイテムにしたい」と強調する。(黒川雅弘)
(2024年11月14日朝刊掲載)