校庭で魚雷製造 映像に刻む史実 ノートルダム清心高 全国放送コン初優勝 被爆者と面会/工場3D化 「丹念な取材」評価
24年11月15日
ノートルダム清心高(広島市西区)放送部が映像作品「同じ地面を踏みしめて」を制作し、今年のNHK杯全国高校放送コンテストのテレビドキュメント部門で初優勝した。同校グラウンドが戦時中は軍需工場だった史実に迫り、「丹念な取材で戦争の記憶を自分ごとにしている」などと評価され、応募約460点から選ばれた。(桧山菜摘)
作品は約8分で、3年山崎一美沙(いびさ)さん(17)、2年岩本奈々さん(17)、1年杉屋京香さん(16)の3人が制作した。体育の授業や遊び場として使うグラウンドに、戦時中は東洋製缶の軍需工場があり魚雷を製造していたことなどを追った。当時の関係者の話や、調べた内容について校内で発表した際の生徒の反応もまとめた。
元校長から工場の存在を聞き、昨年12月から制作を開始。約半年かけて完成させた。岩本さんは「いつも使うグラウンドが軍需工場だったなんてという驚きがきっかけだった」と振り返る。
3人は平和記念公園(中区)内の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館で被爆者の手記を読み、東洋製缶の別の工場に学徒動員され働いていた被爆者にインタビューした。杉屋さんは「学校があった場所の工場で働いていた人には出会えなかった。10年前だったら違ったのかなと思う」と悔しさもにじませた。
構成や編集、ナレーションも3人が手がけた。当時の様子がイメージできるように写真を多く使ったり、工場を3D映像で再現したりするなどして工夫した。
山崎さんは「掘り起こさなければ工場の存在は忘れられたかもしれない。当時を想像しながら見てほしい」と話す。作品は20日午後7時25分からEテレ「ティーンズビデオ」で放送される。
(2024年11月15日朝刊掲載)
作品は約8分で、3年山崎一美沙(いびさ)さん(17)、2年岩本奈々さん(17)、1年杉屋京香さん(16)の3人が制作した。体育の授業や遊び場として使うグラウンドに、戦時中は東洋製缶の軍需工場があり魚雷を製造していたことなどを追った。当時の関係者の話や、調べた内容について校内で発表した際の生徒の反応もまとめた。
元校長から工場の存在を聞き、昨年12月から制作を開始。約半年かけて完成させた。岩本さんは「いつも使うグラウンドが軍需工場だったなんてという驚きがきっかけだった」と振り返る。
3人は平和記念公園(中区)内の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館で被爆者の手記を読み、東洋製缶の別の工場に学徒動員され働いていた被爆者にインタビューした。杉屋さんは「学校があった場所の工場で働いていた人には出会えなかった。10年前だったら違ったのかなと思う」と悔しさもにじませた。
構成や編集、ナレーションも3人が手がけた。当時の様子がイメージできるように写真を多く使ったり、工場を3D映像で再現したりするなどして工夫した。
山崎さんは「掘り起こさなければ工場の存在は忘れられたかもしれない。当時を想像しながら見てほしい」と話す。作品は20日午後7時25分からEテレ「ティーンズビデオ」で放送される。
(2024年11月15日朝刊掲載)