ゼミに発展 活動を記念誌に 高校生平和集会から50年 「ヒロシマの碑」建立など振り返る
24年11月18日
高校生の自主的な学習の場として平和ゼミナールが発足する契機となった全国高校生平和集会が広島市で開催されてから今年で50年。平和ゼミの卒業生やアドバイスを送ってきた教員たちが、記念誌「核兵器と戦争のない世界をめざす高校生たち」にまとめ、大月書店から出版した。(客員編集委員・籔井和夫)
集会の開催は1974年8月。市内であった原水爆禁止世界大会の「高校生分散会」として全国から約100人が集まり、平和や人権に関する学習で交流した。「年間を通した活動を」との声が高まり78年2月、広島市内の十数校の高校生が実行委員会をつくり「一日平和学校」を開催した。「高校生平和ゼミナール」へと発展し、全国30余の活動に広がった。
記念誌は4部構成。活動を振り返る第1部は発足時から関わる元安田女子高教諭の沢野重男さん(77)=東区=たちが編集委員を務めた。被爆者や市民と協力し、原爆ドーム横の元安川で川底から「原爆瓦」を集めて83年に「原爆犠牲ヒロシマの碑」建立に結実させた活動をはじめ、米水爆実験による第五福竜丸にとどまらない漁船の被曝(ひばく)、沖縄戦とアジアの戦争被害、ロシアのウクライナ侵攻などの課題に取り組んできたことを記す。
第2部は卒業生14人が寄稿し「活動で学んだことは多くの人と共鳴すれば世の中を変えられるということ」などとつづる。
沢野さんは「豊かで多彩な平和教育の実践は、主権者教育の先取りとも言える。地域に根差しつつ視点はグローバルに、という原点を大切に学び続けてほしい」と高校生たちに期待する。
(2024年11月18日朝刊掲載)
集会の開催は1974年8月。市内であった原水爆禁止世界大会の「高校生分散会」として全国から約100人が集まり、平和や人権に関する学習で交流した。「年間を通した活動を」との声が高まり78年2月、広島市内の十数校の高校生が実行委員会をつくり「一日平和学校」を開催した。「高校生平和ゼミナール」へと発展し、全国30余の活動に広がった。
記念誌は4部構成。活動を振り返る第1部は発足時から関わる元安田女子高教諭の沢野重男さん(77)=東区=たちが編集委員を務めた。被爆者や市民と協力し、原爆ドーム横の元安川で川底から「原爆瓦」を集めて83年に「原爆犠牲ヒロシマの碑」建立に結実させた活動をはじめ、米水爆実験による第五福竜丸にとどまらない漁船の被曝(ひばく)、沖縄戦とアジアの戦争被害、ロシアのウクライナ侵攻などの課題に取り組んできたことを記す。
第2部は卒業生14人が寄稿し「活動で学んだことは多くの人と共鳴すれば世の中を変えられるということ」などとつづる。
沢野さんは「豊かで多彩な平和教育の実践は、主権者教育の先取りとも言える。地域に根差しつつ視点はグローバルに、という原点を大切に学び続けてほしい」と高校生たちに期待する。
(2024年11月18日朝刊掲載)