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被爆死米兵を明らかに 谷本清平和賞 森さんに贈呈

 第36回谷本清平和賞に決まった被爆者で歴史研究家の森重昭さん(87)=広島市西区=への贈呈式が17日、中区の広島工業大広島校舎であった。公益財団法人ヒロシマ・ピース・センター(佐伯区)の鶴衛理事長が表彰状や記念牌(はい)を手渡した。

 森さんは、長年調査を続け、広島市内で被爆死した米兵捕虜が12人いたことを明らかにした功績などが評価された。

 妻佳代子さん(82)と式に出席した森さんは「原爆被害は80年たつ今も分からないことがたくさんある。困難も多かったが少しでも後世に残したいと調査を続けた」と振り返り、各地の戦禍に触れ「原爆を二度と使ってはいけないと強く申し上げたい」と結んだ。

 森さんは、8歳の時に爆心地から約2・5キロの己斐町(現西区)で被爆した。2016年に広島を訪れた当時のオバマ米大統領と抱擁した姿が世界へ伝えられた。同賞は、広島流川教会の故谷本清牧師の遺志を継ぎ、世界平和の実現に向けて活動する個人や団体に贈られる。(仁科裕成)

(2024年11月18日朝刊掲載)

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