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韓国の技師ら 被爆証言聞く HICARE 広島で研修

 韓国で緊急被曝(ひばく)医療に携わる技師や救急救命士たち5人が18日、広島市内で放射線被曝医療の研修を始めた。初日は原爆資料館(中区)で被爆者の近藤康子さん(83)=西区=から被爆体験を聞いた。

 近藤さんは4歳の時、爆心地から約3・5キロで被爆した。やけどで皮膚がぶら下がった人たちを「お化けのようだった」と振り返り、自身も高熱が続き、肛門から腸が出るなど苦しんだ経験を語った。「私たちのような被爆者を出してはいけない。放射線の怖さを伝えて」と呼びかけた。

 晋州市の慶尚国立大学校病院で放射線技師として働く金正洙(キム・ジョンス)さん(56)は「想像以上に悲惨だった。戦争を起こしてはならないという国民の意識が必要だ」と話した。

 研修は広島県や市でつくる放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)が実施。21日まで広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)や広島赤十字・原爆病院でも原爆投下時の被害や救護を学ぶ。(川上裕)

(2024年11月19日朝刊掲載)

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