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平和賞授賞式 資料貸し出しへ 原爆資料館 被団協ノーベル賞

 日本被団協のノーベル平和賞受賞決定で、原爆資料館(広島市中区)がノルウェー・オスロにあるノーベル平和センターへ被爆関連の資料を貸し出す準備を進めていることが21日、分かった。被団協の活動を紹介する展示を計画しているセンター側から依頼があった。

 資料館によると、所蔵資料の貸与について、センター側から7日に打診があった。12月10日の授賞式に向け、被団協の活動を伝える写真や被爆者が描いた原爆の絵などをデジタルデータで提供する方向で、選定作業を進めている。

 一方、被爆者の遺品など実物は授賞式までに現地へ届けるのが困難なため、センター側と調整を続けている。要請があれば、できる限り協力する姿勢だ。

 資料館は、2017年に非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))が平和賞を受賞した際は、関連展示のため、被爆死した学徒の遺品の布製かばんと防空頭巾をセンターに貸し出した。石田芳文館長は「被爆に関する資料に触れることで、核廃絶への世論が醸成されるよう望む」と話している。 (野平慧一)

(2024年11月22日朝刊掲載)

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