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平和への願い 壁画に学ぶ 広島拘置所で幟町小3年生

 広島市中区の幟町小の3年生11人が21日、画家で被爆者の故入野忠芳さんが広島拘置所(中区)の外塀に生前描いた壁画を見学した。入野さんの妻泰子さん(74)=東区=と一緒に全長約200メートルの大作に沿って歩いた。

 壁画は広島城下の水辺の風景や大きなコイ、江戸時代の風俗を生き生きと再現している。児童が「どんな思いが込められているの」と質問すると、泰子さんは入野さんが5歳の時に事故で左手を失い、さらに原爆に遭ったことに言及。「平和な時代の街の姿に、命の大切さへの思いが込められている」と答えた。

 壁画は広島城築城400年記念事業として市が入野さんに依頼し、1989年に完成。拘置所の建て替えによる撤去が決まっている。鵜飼(うがい)七帆さん(9)は「壊されるまでじっくりと絵を見て、平和なまちづくりのため自分ができることを考えたい」と熱心にメモを取っていた。

 壁画見学は総合的な学習の一環。児童たちは今回学んだ成果をまとめ、地域で発表することを目指す。(頼金育美)

(2024年11月22日朝刊掲載)

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