「戦争は心を壊す」 亡き父の記憶語る 中区 市民団体の黒井代表講演
24年11月24日
旧日本軍兵士の戦争体験のトラウマ(心的外傷)について考える講演会が23日、広島市中区の広島大東千田キャンパス未来創生センターであった。「PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」の黒井秋夫代表(76)=東京=が亡き父の記憶を語り、「戦争は兵士の心を壊し、家族をも苦しめる」と訴えた。
黒井さんの父は20歳で召集され、旧満州(中国東北部)で従軍した。黒井さんは「復員後の父は無口、無気力で周囲との付き合いもなく、定職にも就けなかった。家族は貧乏暮らしを強いられ、『こういう男には絶対なるまい』と思って大人になった」と明かした。
父に心的外傷後ストレス障害(PTSD)があったと考え始めたのは、ベトナム戦争の帰還兵が症状に苦しむ映像を見てから。1990年に父を亡くし、20年以上後だったという。「中国人を殺し、その体験がトラウマになったのだと思う。父を見る目が百八十度変わった」。国がPTSDのある兵士と家族の実態を調査すべきだと唱えた。
広島平和教育研究所などの主催。約50人が参加した。(編集委員・水川恭輔)
(2024年11月24日朝刊掲載)
黒井さんの父は20歳で召集され、旧満州(中国東北部)で従軍した。黒井さんは「復員後の父は無口、無気力で周囲との付き合いもなく、定職にも就けなかった。家族は貧乏暮らしを強いられ、『こういう男には絶対なるまい』と思って大人になった」と明かした。
父に心的外傷後ストレス障害(PTSD)があったと考え始めたのは、ベトナム戦争の帰還兵が症状に苦しむ映像を見てから。1990年に父を亡くし、20年以上後だったという。「中国人を殺し、その体験がトラウマになったのだと思う。父を見る目が百八十度変わった」。国がPTSDのある兵士と家族の実態を調査すべきだと唱えた。
広島平和教育研究所などの主催。約50人が参加した。(編集委員・水川恭輔)
(2024年11月24日朝刊掲載)