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社説・コラム

朝凪(あさなぎ) 平和賞演説 拍手送ろう

 「タキシードでした?」。日本被団協へのノーベル平和賞授賞式をノルウェーで取材する同僚に聞かれた。7年前、核兵器禁止条約制定に貢献した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))が受賞した際に取材したからだ。

 記者の服装にタキシード指定はなく、防寒で厚手のスーツを着た。屋外は凍える寒さ。ただ翌日にあった当時のソルベルグ首相の記者会見は熱を帯びた。メディアがICAN事務局長の演説時に拍手をしない場面があったと追及。首相は「抵抗」を認めた。ノルウェーは「核の同盟」である北大西洋条約機構(NATO)の加盟国だ。

 その後、政権交代を経て条約の締約国会議にオブザーバー参加を始めた。授賞式は12月10日。なお不参加の日本を含め各国が演説に拍手し、行動する日に。(編集委員室・水川恭輔)

(2024年11月28日朝刊掲載)

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