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平和都市法制定 75年で講演会 浜井元市長の長男訴え 平和希求 広島の役割

 広島市の被爆後の復興を推進する「広島平和記念都市建設法」の制定75年を記念し、平和都市の原点と未来を考える講演会が1日、中区の原爆資料館であった。市民たち約160人が、核兵器廃絶に向けて広島が果たすべき役割を学んだ。

 初の公選市長として1949年の同法制定や平和記念公園(中区)の整備に尽くした故浜井信三氏の長男順三さん(88)=佐伯区=が講演した。「国際社会で核抑止の考えが広まり、『核と人類は共存できない』という原点が揺らいでいる」と指摘。「核兵器のない世界を訴えるのが、世界平和を希求する象徴都市としての広島の役割だ」と力を込めた。

 同法や47年の第1回平和祭での平和宣言をテーマに、中国新聞の水川恭輔編集委員(42)と対談。浜井さんは「平和都市としてのまちづくりに重点が置かれたが、今後は発信の役割が重要になる。被爆80年の来年は、広島の原点を世界中の次世代に継承するための平和宣言を出してほしい」と提起した。(根石大輔)

(2024年12月2日朝刊掲載)

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