地球規模の核被害 被爆地から考える 広島で国際シンポジウム
24年12月1日
国際シンポジウム「グローバルに核被害をとらえ直す―いま改めて『ノーモア・ヒバクシャ』」が30日、広島市中区の広島国際会議場であった。広島市立大広島平和研究所(平和研)と中国新聞社、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)の主催。約220人が参加し、被爆地から世界の核被害と向き合う意義を考えた。
平和研のロバート・ジェイコブズ教授が基調講演。核実験により世界各地でヒバクシャが生まれ続けており、「実験場の風下住民は核『攻撃』を受けているに等しい」と強調。「核実験場は首都から離れた植民地や少数民族の居住地近くに設けられてきた」とも指摘し、核開発が差別と格差の構造と不可分だと説いた。
次いで、映画監督として核被害の実態を追う作品を世に問うている伊東英朗氏が登壇。「被曝(ひばく)の問題に当事者意識を持ち、環境問題としても捉えることが重要」と強調した。
市民グループ「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)の瀬戸麻由氏、RECNAの鈴木達治郎教授と本紙の森田裕美記者も報告者として語った。登壇者たちは、パネル討論でも議論を深めた。(小林可奈)
(2024年12月1日朝刊掲載)
平和研のロバート・ジェイコブズ教授が基調講演。核実験により世界各地でヒバクシャが生まれ続けており、「実験場の風下住民は核『攻撃』を受けているに等しい」と強調。「核実験場は首都から離れた植民地や少数民族の居住地近くに設けられてきた」とも指摘し、核開発が差別と格差の構造と不可分だと説いた。
次いで、映画監督として核被害の実態を追う作品を世に問うている伊東英朗氏が登壇。「被曝(ひばく)の問題に当事者意識を持ち、環境問題としても捉えることが重要」と強調した。
市民グループ「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)の瀬戸麻由氏、RECNAの鈴木達治郎教授と本紙の森田裕美記者も報告者として語った。登壇者たちは、パネル討論でも議論を深めた。(小林可奈)
(2024年12月1日朝刊掲載)