原爆資料館 若者向け新展示 混雑対策で広島市 27年の公開目指す
24年11月30日
原爆資料館(広島市中区)の混雑対策で、市が東館地下1階に修学旅行生たち若い世代向けの展示を新設する方針を固めたことが29日、分かった。早ければ2027年の公開を目指している。
複数の関係者によると、計画では会議室など約500平方メートルを改修し展示スペースを設ける。展示内容は今後詰める。市が製作中の人工知能(AI)を活用して画面上の被爆者と疑似対話をできる装置や、仮想現実(VR)の技術を使って被爆前後の市街地の様子に触れるコーナーなどの設置も検討するという。
資料館の24年度の入館者は10月末時点で145万9988人。過去最多の23年度を上回るペースで、日本被団協のノーベル平和賞受賞決定も追い風に初の年間200万人超えを視野にする。
一方、混雑は常態化。資料館を運営する広島平和文化センターが22~23年に修学旅行で訪れた小中高計1121校を対象にしたアンケートでは、「止まることが許されず、子どもたちが見て思いを持つことが全くできなかった」などの意見があった。約6割の学校は「修学旅行を他よりも先行して予約できる制度を導入すべきだ」と回答したという。
このため、市は修学旅行生向けの対策を急ぐとみられる。(野平慧一)
(2024年11月30日朝刊掲載)
複数の関係者によると、計画では会議室など約500平方メートルを改修し展示スペースを設ける。展示内容は今後詰める。市が製作中の人工知能(AI)を活用して画面上の被爆者と疑似対話をできる装置や、仮想現実(VR)の技術を使って被爆前後の市街地の様子に触れるコーナーなどの設置も検討するという。
資料館の24年度の入館者は10月末時点で145万9988人。過去最多の23年度を上回るペースで、日本被団協のノーベル平和賞受賞決定も追い風に初の年間200万人超えを視野にする。
一方、混雑は常態化。資料館を運営する広島平和文化センターが22~23年に修学旅行で訪れた小中高計1121校を対象にしたアンケートでは、「止まることが許されず、子どもたちが見て思いを持つことが全くできなかった」などの意見があった。約6割の学校は「修学旅行を他よりも先行して予約できる制度を導入すべきだ」と回答したという。
このため、市は修学旅行生向けの対策を急ぐとみられる。(野平慧一)
(2024年11月30日朝刊掲載)