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「黒い雨」訴訟 支援の会 岡山の83歳女性 結成総会に30人 「被爆2世・3世の会」呼びかけ

 広島原爆の直後に降った「黒い雨」を浴びたのに、被爆者健康手帳の申請が却下されたとして県の処分取り消しなどを求めて岡山地裁に提訴した岡山市の女性(83)を支援する会が1日、発足した。岡山「被爆2世・3世の会」のメンバーたちが呼びかけた。公判活動を支え、同様の被害を受けた県内在住者の掘り起こしを図る。(坂田茂)

 岡山市中区であった結成総会には約30人が参加。冒頭、家族への影響を恐れ、総会出席を見送ったことをわびる女性の手紙が紹介された。代理人弁護士は「女性が当時暮らした広島県津田町(現廿日市市)では多くの人が黒い雨の証言をし、女性の記憶も具体的」と早期救済を訴えた。

 黒い雨問題に取り組むジャーナリストの小山美砂さん(29)は「つらい経験を長年抱え、話しても否定される苦しさを分かってほしい」と支援の大切さを強調。呼びかけ人の一人で同会の世話人代表、加百(かど)智津子さん(75)は「来年は被爆80年。最良の結果につなげたい」と話した。

 訴状などによると、女性は4歳の時に自宅近くで黒い雨を浴び、被爆者認定の対象疾病である肝炎を患っている。被害救済のため2022年に始まった新認定基準の下、今年3月、県に手帳交付を申請したが、「当時いた場所に雨が降ったと確認できない」として却下された。

(2024年12月3日朝刊掲載)

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