[被団協ノーベル平和賞] 被爆者運動の歴史を伝える 田中さん 受賞演説 自身の体験も
24年12月3日
日本被団協は2日、ノルウェー・オスロであるノーベル平和賞の授賞式を10日に控え、東京都内で記者会見を開いた。代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(92)=埼玉県新座市=は受賞演説で、被爆者救済を訴えてきた運動の歴史と自身の被爆体験を伝えると説明。核兵器の廃絶に向け、世界の人々に「自分たちが活動しなければいけないと思ってもらいたい」と語った。
会見には首都圏在住の被爆者5人が出席。1956年の被団協結成に立ち会い、70年代から本格的に活動する田中さんは「原爆被害が今なお十分知られていない」と指摘。演説内容について「被団協の活動や運動を第一にし、4分の1は自分の体験を伝える」と述べた。活動を継ぐ若者への期待にも触れる。
原爆被害への国家補償と核廃絶を訴えてきた被団協の運動は道半ばとしながら、今回の受賞を「大きな前進の足がかり」と力説。「広島、長崎の被爆者を理解してもらえば運動は大きくなり、核兵器をなくす道筋ができる」と期待した。
授賞式には5人を含む代表団30人が出席する。広島で胎内被爆した事務局次長の浜住治郎さん(78)=東京都稲城市=は渡航費を募るクラウドファンディング(CF)で目標の1千万円を超える約3600万円(2日時点)が集まったと報告。「大きな励ましだ」と感謝した。一行は8日に日本をたち、13日に帰国する。出席を予定した高草木博・国際平和ビューロー元副会長は体調不良で見合わせた。(宮野史康)
(2024年12月3日朝刊掲載)
会見には首都圏在住の被爆者5人が出席。1956年の被団協結成に立ち会い、70年代から本格的に活動する田中さんは「原爆被害が今なお十分知られていない」と指摘。演説内容について「被団協の活動や運動を第一にし、4分の1は自分の体験を伝える」と述べた。活動を継ぐ若者への期待にも触れる。
原爆被害への国家補償と核廃絶を訴えてきた被団協の運動は道半ばとしながら、今回の受賞を「大きな前進の足がかり」と力説。「広島、長崎の被爆者を理解してもらえば運動は大きくなり、核兵器をなくす道筋ができる」と期待した。
授賞式には5人を含む代表団30人が出席する。広島で胎内被爆した事務局次長の浜住治郎さん(78)=東京都稲城市=は渡航費を募るクラウドファンディング(CF)で目標の1千万円を超える約3600万円(2日時点)が集まったと報告。「大きな励ましだ」と感謝した。一行は8日に日本をたち、13日に帰国する。出席を予定した高草木博・国際平和ビューロー元副会長は体調不良で見合わせた。(宮野史康)
(2024年12月3日朝刊掲載)