大久野島でガイドツアー 来春、竹原の機構 人材養成急ぐ 旧軍要塞や毒ガス製造… 「ウサギ島」を深く
24年12月8日
竹原市の観光振興を支援する竹原観光まちづくり機構が、大久野島(忠海町)のガイドツアー商品を企画している。近年人気を集める「ウサギ島」の側面だけでなく、戦争遺構や瀬戸内海の豊かな自然を含めた同島の特徴をストーリーに沿って体感してもらう。訪問客の満足度を高める観光コンテンツとして来春以降の販売を目指し、ガイドを養成している。(渡部公揮)
同島は明治期に旧陸軍が要塞(ようさい)を築き、昭和前期には毒ガスが製造された。近年は生息する数百匹のウサギが注目を浴び、2023年は約20万人が訪問。同機構によると、平和学習で毒ガス製造の歴史などを伝える有志のガイド活動はあるが、島全体の魅力を伝えるガイドツアーはこれまでなかった。
ツアーは約2時間を想定。島の外周約4キロをガイドと一緒に自転車で巡る。ウサギとの触れ合いに始まり、瀬戸内海の景観を楽しみながら島の文化や自然を知り、毒ガス貯蔵庫や砲台跡などのスポットでは戦争の一端を担った島の歴史に触れる。欧米の訪日客を主なターゲットとする。
ガイド養成は、広島市内の被爆遺構を巡るツアーを提供するmint(ミント)に委託。今夏に希望者を公募し、講習会を経て現在は6人が候補に残っている。11月末には同島でのモニターツアーを初めて実施。ガイド候補の広島大1年砂田夢奈さん(19)が2人を案内した。砂田さんは「毒ガス関連の話は興味を持ってもらえた。知識のインプットと練習を重ねたい」と意気込む。
ツアー商品は、近く制作する専用ホームページなどで販売する。同機構の内藤隆久事業課長は「大久野島や瀬戸内の素晴らしさを発信し、地域を盛り上げたい」と話す。
(2024年12月8日朝刊掲載)
同島は明治期に旧陸軍が要塞(ようさい)を築き、昭和前期には毒ガスが製造された。近年は生息する数百匹のウサギが注目を浴び、2023年は約20万人が訪問。同機構によると、平和学習で毒ガス製造の歴史などを伝える有志のガイド活動はあるが、島全体の魅力を伝えるガイドツアーはこれまでなかった。
ツアーは約2時間を想定。島の外周約4キロをガイドと一緒に自転車で巡る。ウサギとの触れ合いに始まり、瀬戸内海の景観を楽しみながら島の文化や自然を知り、毒ガス貯蔵庫や砲台跡などのスポットでは戦争の一端を担った島の歴史に触れる。欧米の訪日客を主なターゲットとする。
ガイド養成は、広島市内の被爆遺構を巡るツアーを提供するmint(ミント)に委託。今夏に希望者を公募し、講習会を経て現在は6人が候補に残っている。11月末には同島でのモニターツアーを初めて実施。ガイド候補の広島大1年砂田夢奈さん(19)が2人を案内した。砂田さんは「毒ガス関連の話は興味を持ってもらえた。知識のインプットと練習を重ねたい」と意気込む。
ツアー商品は、近く制作する専用ホームページなどで販売する。同機構の内藤隆久事業課長は「大久野島や瀬戸内の素晴らしさを発信し、地域を盛り上げたい」と話す。
(2024年12月8日朝刊掲載)