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広島市平和基本条例 大学教授らが検証本を出版

 2021年施行の広島市平和推進基本条例の制定過程を検証した「『平和都市』ヒロシマのまがりかど」が出版された。大学教授やフリージャーナリストら8人が議会の傍聴や情報公開請求で資料を入手し、執筆した。

 執筆者の一人で広島大の田村和之名誉教授(行政法)は8月6日の平和記念式典を「厳粛の中で行う」と定めた点を疑問視。「思想(内心)の自由、表現の自由の侵害の根拠となり得る」と主張する。このほか、複数の執筆者が条例で平和の定義を「世界中の核兵器が廃絶され、戦争その他の武力紛争がない状態」としている点に触れ、環境問題や差別などの視点に欠けると指摘している。

 四六判、247ページ。西日本出版社刊。1870円。全国の書店やインターネット通販のアマゾンで取り扱う。8日午後1時半から合人社ウェンディひと・まちプラザ、15日午後7時からカフェ「ハチドリ舎」(いずれも中区)で執筆者によるトークイベントがある。

(2024年12月7日朝刊掲載)

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