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核廃絶まで語り継ぐ 被団協 ノーベル平和賞 小倉さん被爆証言 「情熱を持って」行動

 被爆者の小倉桂子さん(87)=広島市中区=が11日、日本被団協のノーベル平和賞受賞に合わせてノルウェーのオスロ大であった核軍縮フォーラムで被爆体験を証言した。「生き残るために、一緒に戦争や核兵器と闘わなければならない」と訴えた。(オスロ発 下高充生)

 8歳の時に爆心地から2・4キロの牛田町(現東区)の自宅近くで被爆した小倉さんは、司会者の質問に答える形で英語で体験を語った。米軍が原爆を投下した直後、「閃光(せんこう)が走り、全てが色を失った」と説明。爆心地の方から傷を負った多くの人が逃れてきて、水だけを求め、亡くなっていったと振り返った。

 核兵器を巡る情勢が悪化しているとの認識も示しつつ「私は死ぬ前に、この地球から核兵器がなくなるのを見たい」。他人やリーダーに委ねるのではなく自分自身の行動へ「情熱を持って」と繰り返すと、会場から大きな拍手が送られた。

 長崎で被爆し、被爆者医療に長く携わってきた朝長万左男さん(81)も登壇した。放射線による健康影響に関する研究に触れ「若い世代の人たちは、核兵器のない世界を実現する責任を認識してほしい」と促した。

 フォーラムはノーベル研究所が開いた。2017年にノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のメリッサ・パーク事務局長や安全保障に関する専門家たちの討論もあった。

(2024年12月12日朝刊掲載)

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