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「核軍縮へ保有国に圧力」 ノーベル平和賞 被団協とノルウェー首相決意 関係者らオスロで行進

 ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の代表委員3人は11日、ノルウェー・オスロの首相府でストーレ首相と面会した。終了後の共同記者会見で、ストーレ首相は「核軍縮に加わるよう核兵器保有国に圧力をかけていきたい」と約束。田中熙巳(てるみ)代表委員(92)は核兵器廃絶に向け「首相の決意が強い励ましになった」と感謝した。(オスロ発 宮野史康)

 非公開の面会では、箕牧(みまき)智之代表委員(82)=広島県被団協理事長、田中重光代表委員(84)=長崎原爆被災者協議会会長=と共に、日本政府の核政策や核兵器に頼らない安全保障、若者の役割を巡って意見を交わしたという。

 田中熙巳代表委員は会見で「ノルウェーの国民全体から非常に歓迎されている。涙が出るくらいうれしい」と謝意を示した。ストーレ首相からは核兵器廃絶への志を感じたと説明。ノルウェーは「核の同盟」の北大西洋条約機構(NATO)の一員ながら核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加しており「切り開いていきたいという決意を私たちの前ではっきり述べた」と喜んだ。

 ストーレ首相は、核兵器廃絶に向けた政治的な運動に参加してきたと明かし「証言を続ける被爆者の並外れた努力のおかげで、私は早くから核兵器の危険性に気付けた」と述べた。

 10日にオスロ市庁舎であった授賞式には被団協の代表団30人が出席した。同日夜には受賞者をたたえる恒例のたいまつ行進があり、日本からの参加者や市民たち約千人が800メートルの道のりを歩いた。目的地のホテル前では「ノーモア・ヒロシマ」「ノーモア・ウォー」と声を合わせ、代表委員3人がバルコニーから手を振って応えた。

 行進に加わった、もう一つの広島県被団協の佐久間邦彦理事長(80)は「燃え上がる力が湧いた。これからが大切だ。皆と一緒に力を合わせたい」と核兵器廃絶へ決意を新たにした。

(2024年12月12日朝刊掲載)

決意の日 誓いの火 被団協ノーベル平和賞授賞式

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