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[被団協ノーベル平和賞] 原爆被害 見えない傷深く 代表理事 オスロ大で講演

 ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の代表理事3人が11日、ノルウェーのオスロ大で講演した。若者に向け、原爆がもたらした心の傷や核兵器廃絶への思いを伝えた。(オスロ発 下高充生)

 広島で被爆した金本弘さん(80)=愛知県、胎内被爆者の松浦秀人さん(79)=愛媛県、被爆2世の本間恵美子さん(74)=松江市=が登壇。金本さんは、被爆した姉がやけどによるケロイドを負ったことなどを記した日本語と英語の文章を配り「姉は『私の娘時代を返してくれ』と言い残し、亡くなった」と語った。

 松浦さんは結婚や妻の出産の際、放射線による健康影響が不安だったと明かした。「喜ばしい出来事でも、被爆者は不安を感じざるを得ない状況に追い込まれた」と原爆被害の特性を訴えた。本間さんは「今回の受賞はスタートラインだ」と今後の活動への意欲を語った。

 授賞式の前後に例年オスロ市やオスロ大などが企画する行事の一環で、学生たち200人以上が聞いた。修士課程のフリダ・オルスホルクさん(27)は「被爆者の活動を私たちがさらに強めていく必要があると感じた」と受け止めた。

 被団協の代表団はオスロでの活動を終え、12日朝、帰国の途に就いた。

(2024年12月13日朝刊掲載)

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