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被爆2世のゲノム解析 放影研、早期調査に意欲

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)は13日、準備を進めている被爆2世のゲノム(全遺伝情報)解析を巡り、所内で開いていた2日間の国際シンポジウムを終えた。神谷研二理事長は計画に「自信を深めた」とし、速やかな調査開始を目指す意向を示した。

 国内外の専門家や放影研の職員計35人が参加し、初日の冒頭を除き非公開。放影研によると、ゲノム解析を巡る倫理的配慮の取り組みを説明し、解析した遺伝情報の当事者への伝達について国内外の事例を共有したという。

 終了後の記者会見で、大阪大大学院の加藤和人教授(生命倫理学)は「ゲノム解析に関して意見を聞く場をつくるなど理解も広まっており、調査を進めて良い状況にある」と評価した。

 どの遺伝情報を当事者に伝えるかなどは、放影研が引き続き検討する。神谷理事長は「十分準備するが、被爆者の高齢化を踏まえると可能な限り速やかに実行したい。今回のシンポジウムは大きな節目になる」と話した。(山下美波)

(2024年12月14日朝刊掲載)

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