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米軍オスプレイ運用一時停止 説明不十分 国に苦言 安全対策など不明 岩国市と山口県、疑問を照会

 米軍が輸送機オスプレイの運用を一時停止していることに対し、11月に機体が配備されたばかりの岩国基地(岩国市)の地元自治体が、国からの説明が不十分だといら立ちを募らせている。10日に飛行停止が明らかになって以降、同基地での飛行再開の時期や安全対策は不明なまま。岩国市と山口県は13日、国に疑問点を尋ね、情報が伝わってこないことに疑問を投げかけた。

 「国から適切なタイミングでしっかりと情報があったとは言いがたい。外交・安全保障を所管する国が必要な情報を迅速に提供するよう、あらためて強く求めたい」。13日夜、報道陣の取材に応じた岩国市の福田良彦市長はそう苦言を呈した。

 市はこれまで国側から詳細な説明を受けていなかった。13日にようやく防衛省中国四国防衛局からメールで連絡があったという。同局は「米海軍は9日から全ての飛行を見合わせている」「米側とは詳細なやりとりを行っている」とした一方、岩国基地での飛行再開の要件や時期には言及していなかった。今後どのような安全対策をするかも示されなかった。

 「これでは岩国基地の状況が何も分からない」と市幹部。市は県と連名の文書で、これらの不明点を同局へ照会した。

 市と県は8月、岩国基地へのオスプレイ配備を容認した。「安全性に問題はない」と断言する防衛省の説明が前提だっただけに、住民の安全や安心に直結する情報の遅れと不十分さに不満を強めている。

 岩国基地には11月、海軍のオスプレイ4機程度が配備された。基地周辺などで飛行を始めていたが、今月6日を最後に確認されていない。(長久豪佑)

(2024年12月14日朝刊掲載)

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