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ピリスさんと広響 協演 世界的ピアニスト 25年8月 広島など

 本年の第35回高松宮殿下記念世界文化賞に輝いた世界的ピアニスト、マリア・ジョアン・ピリスさん(80)が、被爆80年を迎える2025年8月、広島交響楽団が広島、東京、大阪で開く「平和の夕べ」コンサートに出演することが決まった。ピリスさんは中国新聞の取材に「歴史的な記念公演に招かれ、とても光栄だ」と語った。

 ポルトガル出身のピリスさんは4歳で初舞台を踏み、1970年「ベートーベン生誕200周年記念コンクール」で優勝。世界の名オーケストラと協演するほか、教育、社会活動に熱心なことでも知られている。

 広響とは初協演。クリスティアン・アルミンク音楽監督の指揮で、ベートーベンのピアノ協奏曲第4番を披露する。「私にとって特別な曲。ベートーベンの魂が込められている」とピリスさん。「80年前にヒロシマで何があったのかを世界が知るべきだ」とも。核兵器廃絶と平和の祈りを曲に重ね、奏でる。

 広響の妹尾雅雄理事長は「世界的に価値のある演奏会にしたい」と意気込む。公演は8月5日、広島市中区の広島文化学園HBGホール▽7日、大阪ザ・シンフォニーホール▽8日、東京オペラシティコンサートホール。チケットの発売開始は東京・大阪が3月24日、広島が6月5日。(桑島美帆)

(2024年12月17日朝刊掲載)

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