×

ニュース

「特に見て」10点 原爆資料館案内 被爆直後の写真・学徒の遺品など

 広島市と広島平和文化センターは27日、原爆資料館(中区)の本館で来館者に特に見てほしい資料の案内を始める。原爆投下当日の市民の惨状を捉えた写真や学徒の遺品など10点。本来は一つ一つの資料にじっくり向き合うよう求めているが、「時間に余裕がない時や混雑している場合でも、被爆の惨禍を理解してほしい」としている。

 被爆直後に御幸橋西詰め(現中区)で撮影された負傷者の写真や、建物疎開作業に動員されて亡くなった生徒の学生服、人が座っていた部分が熱線で影のように残った旧住友銀行広島支店(同)の「人影の石」など。本館の見学には通常約1時間かかるが、これら10点を巡るルートは30分程度という。

 本館にある約500点の中から、動線などを踏まえ、リーフレットで紹介してきた資料を中心に選んだ。27日から日本語と英語のチラシを東館の入り口で配り、ホームページでも公開する。

 2024年度の入館者数は11月までで172万6530人。年間を通し過去最多だった23年度の同期比で16・1%多く、初の200万人を超えるペースだが、混雑対策が課題になっている。(下高充生)

(2024年12月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ