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カーター元米大統領 交流30年余 人柄しのぶ 三次市甲奴の関係者

 米国のジミー・カーター元大統領が29日に100歳で死去し、30年余り交流を続ける三次市甲奴町の関係者たちは30日、世界平和に尽力したカーターさんの功績と温かな人柄をしのび、これまでの支援に感謝の気持ちを表した。

 「今の世に必要な理念と行動の指針を体現されてきた人」。NPO法人こうぬジミー・カーターシビックセンター国際交流協会の山岡克巳理事長(71)は振り返った。

 交流のきっかけは、戦時中に金属供出された地元の正願寺の鐘。1985年にカーターさんへ寄贈され、90、94年の甲奴訪問に結びついた。市民の相互交流が始まり、今年10月も三次の中高生の訪問団がカーターさんの郷里ジョージア州へ。2022年には同州のカーター・センターに鐘をつるす鐘楼が甲奴の有志も協力して完成した。

 「次代に伝えていく」と山岡理事長。町内にはカーターさんの名前を冠した通りや記念球場があり、出身地から海を渡り届いたピーナツを育てて名産の「カーターピーナッツ」になっている。

 11月に100歳を祝うスポーツ行事の実行委員長を務めた沖田芳之さん(70)も「子どもたちが羽ばたく一歩を築いていただいた」と感謝する。

 市と同町の住民組織は31日~1月5日の午前10時~午後3時、地元のジミー・カーターシビックセンターに記帳所と献花台を設ける。福岡誠志市長は「交流がさらに10年、20年と続き、広がるよう取り組むことを誓う」とのコメントを出した。(林淳一郎)

(2024年12月31日朝刊掲載)

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