×

ニュース

[被団協ノーベル平和賞] 高校生平和大使 甲斐なつきさん 証言に強さ どう継承

 ノーベル平和賞の授賞式に出席した高校生平和大使で基町高2年の甲斐なつきさん(17)=広島市西区=は、「被爆者の証言の訴えの強さを感じた。後世に伝えていく」と誓い、市の被爆体験伝承者を目指す。

 授賞式では、日本被団協代表委員の田中熙巳さん(92)の演説を聞き、涙を流す多くの人たちを見た。「被爆者の生の声からしか得られない感情があった。若者がどうすれば伝えられるのか、考えさせられた」という。

 曽祖父は広島、曽祖母は長崎で被爆。オスロではその体験を若者へ伝える機会があった。「『家族の話をしてくれたのは貴重だった』と反応してくれた。残してくれたつらい体験を私の世代で止めず、広げていく必要がある」と受け止める。

 オスロで偶然出会ったノーベル賞委員会のフリードネス委員長からは「活動を知っている」と励まされた。一方、広島で核兵器廃絶を求める署名活動をしても同世代の関心の低さを感じてきた。「世論を大きくするため、同じように平和活動に取り組む人とつながりたい」と話す。(下高充生)

(2024年12月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ