胎内被爆者の手記集 英訳 広島出身の若者らグループ 「平和学習に」 電子書籍を無料公開
25年1月7日
母親のおなかの中で原爆に遭った被爆者たちの手記集の英語版が完成した。胎内被爆者の会(原爆胎内被爆者全国連絡会)が2020年に発行した「生まれた時から被爆者」を、広島市南区出身の会社員貞岩しずくさん(25)=新潟県柏崎市=が代表を務める若者グループがボランティアで翻訳した。会は、日本語版とともに電子書籍を無料公開している。
胎内被爆者たち47人の手記などを収録。子への健康影響や差別を案じた母親の姿、原爆小頭症の苦難などを記す。
貞岩さんは関西学院大在学中に講義で、会の代表世話人の二川一彦さん(78)=東区=と知り合い、胎内被爆者の存在や苦労を広く伝えたいと英訳を決めた。全国の学生たち約50人でつくる「AOGIRI(アオギリ)」で21年から作業。広島、長崎とゆかりのない学生も多く、専門用語などの勉強会も重ねた。
先月23日に広島市役所で記者会見した二川さんは「若い世代が私たちの経験をよく理解し、訳してくれた。世界に発信できて意義深い」と感謝。貞岩さんは「平和学習にも活用したい」と話した。電子書籍「グーグル・プレイブックス」で読める。会は英語版の冊子をノーベル賞委員会のフリードネス委員長たちに贈った。(下高充生)
(2025年1月7日朝刊掲載)
胎内被爆者たち47人の手記などを収録。子への健康影響や差別を案じた母親の姿、原爆小頭症の苦難などを記す。
貞岩さんは関西学院大在学中に講義で、会の代表世話人の二川一彦さん(78)=東区=と知り合い、胎内被爆者の存在や苦労を広く伝えたいと英訳を決めた。全国の学生たち約50人でつくる「AOGIRI(アオギリ)」で21年から作業。広島、長崎とゆかりのない学生も多く、専門用語などの勉強会も重ねた。
先月23日に広島市役所で記者会見した二川さんは「若い世代が私たちの経験をよく理解し、訳してくれた。世界に発信できて意義深い」と感謝。貞岩さんは「平和学習にも活用したい」と話した。電子書籍「グーグル・プレイブックス」で読める。会は英語版の冊子をノーベル賞委員会のフリードネス委員長たちに贈った。(下高充生)
(2025年1月7日朝刊掲載)