呉の進水式 誇りの軌跡 入船山記念館 写真や記念品など30点展示
25年1月13日
呉市幸町の入船山記念館で企画展「呉の進水式」が開かれている。旧呉海軍工廠(こうしょう)で造られた戦艦などの進水風景を捉えた写真や記念品など約30点の資料を展示している。12月28日まで。 (栾暁雨)
同工廠では1897(明治30)年に通報艦宮古が初めて進水した。終戦までに戦艦や空母など計133隻を建造。艦船の誕生を祝う進水式は旧海軍が催し、地元の政財界や市民も招待された一大イベントだった。
展示では、1911(明治44)年の戦艦摂津、27(昭和2)年の1等巡洋艦那智のそれぞれの進水式に見物客が集まっている記録写真などを紹介。40(昭和15)年の戦艦大和の進水式は機密保持のため一般公開されず、式典会場に海軍関係者が並ぶ写真が残る。船体と会場をつなぐロープを切る斧(おの)や、出席者に配られた絵はがき、杯などの記念品も並ぶ。
戦後、工廠跡には播磨造船所呉船渠(せんきょ)や米国の海運会社が進出した。大型タンカーや鉱石運搬船、川底の堆積物をさらう浚渫(しゅんせつ)船を製造し、造船技術が発展。現在に受け継がれている。
企画を担当した浜名翔平学芸員は「進水式の様子から時代背景が読み取れる。変化を感じながら見てほしい」と話す。一般250円など。火曜休館。同記念館☎0823(21)1037。
(2025年1月13日朝刊掲載)
同工廠では1897(明治30)年に通報艦宮古が初めて進水した。終戦までに戦艦や空母など計133隻を建造。艦船の誕生を祝う進水式は旧海軍が催し、地元の政財界や市民も招待された一大イベントだった。
展示では、1911(明治44)年の戦艦摂津、27(昭和2)年の1等巡洋艦那智のそれぞれの進水式に見物客が集まっている記録写真などを紹介。40(昭和15)年の戦艦大和の進水式は機密保持のため一般公開されず、式典会場に海軍関係者が並ぶ写真が残る。船体と会場をつなぐロープを切る斧(おの)や、出席者に配られた絵はがき、杯などの記念品も並ぶ。
戦後、工廠跡には播磨造船所呉船渠(せんきょ)や米国の海運会社が進出した。大型タンカーや鉱石運搬船、川底の堆積物をさらう浚渫(しゅんせつ)船を製造し、造船技術が発展。現在に受け継がれている。
企画を担当した浜名翔平学芸員は「進水式の様子から時代背景が読み取れる。変化を感じながら見てほしい」と話す。一般250円など。火曜休館。同記念館☎0823(21)1037。
(2025年1月13日朝刊掲載)