ガザの苦境 目そらさないで 停戦合意で関係者 「占領に終止符を」 広島から 訴え続ける
25年1月17日
イスラエルとイスラム組織ハマスによるパレスチナ自治区ガザの停戦合意を受け、広島県内では16日、ガザ出身者たちに歓迎と不透明な先行きへの懸念が交錯した。広島市中区の原爆ドーム前に市民が集い、イスラエルによる占領に終止符を打つよう声を上げた。(小林可奈)
ガザ出身の大学院研究員タレク・アメンさん(39)は「小さな一歩である停戦をさらなる段階につなげなければ」と受け止めた。古里は壊滅的な被害を受け、親族は爆撃と食糧難に苦しみながら命をつないできた。「世界はガザの苦境から目をそらさないで」と訴え、占領の終結に向けて国際社会の行動を求めた。
広島市立大の田浪亜央江(あおえ)准教授(中東地域研究)は、停戦合意にトランプ次期米大統領の圧力があったとみられるのを踏まえ「パレスチナの行く末をトランプ政権がコントロールする恐れがある」と今後を不安視した。イスラエル軍が攻撃を続ける占領地ヨルダン川西岸の情勢からも「喜びに包まれる段階ではない」と強調した。
原爆ドーム前には「広島パレスチナともしび連帯共同体」の有志約10人が集った。「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)共同代表でもある田中美穂さん(30)は「待ち望んでいた停戦ではあるが、遅過ぎる。広島からもガザへのメッセージを発し続けることが大切だ」と力を込めた。
(2025年1月17日朝刊掲載)
ガザ出身の大学院研究員タレク・アメンさん(39)は「小さな一歩である停戦をさらなる段階につなげなければ」と受け止めた。古里は壊滅的な被害を受け、親族は爆撃と食糧難に苦しみながら命をつないできた。「世界はガザの苦境から目をそらさないで」と訴え、占領の終結に向けて国際社会の行動を求めた。
広島市立大の田浪亜央江(あおえ)准教授(中東地域研究)は、停戦合意にトランプ次期米大統領の圧力があったとみられるのを踏まえ「パレスチナの行く末をトランプ政権がコントロールする恐れがある」と今後を不安視した。イスラエル軍が攻撃を続ける占領地ヨルダン川西岸の情勢からも「喜びに包まれる段階ではない」と強調した。
原爆ドーム前には「広島パレスチナともしび連帯共同体」の有志約10人が集った。「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)共同代表でもある田中美穂さん(30)は「待ち望んでいた停戦ではあるが、遅過ぎる。広島からもガザへのメッセージを発し続けることが大切だ」と力を込めた。
(2025年1月17日朝刊掲載)