オブザーバー参加要請 核禁条約 首相に広島市長ら
25年1月18日
広島市の松井一実市長と長崎市の鈴木史朗市長は17日、石破茂首相を官邸に訪ね、3月に米ニューヨークである核兵器禁止条約の第3回締約国会議へのオブザーバー参加を要請した。首相は北朝鮮の核・ミサイル開発など安全保障環境が厳しさを増しているとして「非常に難しい問題だ」と態度を保留し、検討を続ける姿勢を示した。
両市長の連名と、全国1740市区町村が加盟する平和首長会議の2種類の要請文を渡し、非公開で意見を交わした。面会後、報道各社の取材に応じた両市長によると、首相は「核兵器のない世界を実現しなくては、という思いは同じ」とする一方、北朝鮮や中国の動向を念頭に「具体の方策をどうするかが難しい」と述べたという。
両市長からは米国の核抑止から脱し、外交努力を重ねるようにも求めた。松井市長は首相の対応から「深く考えていることはよく分かった」とし、「オブザーバー参加を決断し、国会で議論を起こしてほしい」と期待。鈴木市長は「首相は苦悩を語っていた。一歩前に踏み出してほしい」と話した。
両市長は首相との面会に先立って自民党の森山裕幹事長、公明党の斉藤鉄夫代表ともそれぞれ会談。禁止条約への署名・批准に向けた議論を求める要請文を提出した。(宮野史康)
(2025年1月18日朝刊掲載)
両市長の連名と、全国1740市区町村が加盟する平和首長会議の2種類の要請文を渡し、非公開で意見を交わした。面会後、報道各社の取材に応じた両市長によると、首相は「核兵器のない世界を実現しなくては、という思いは同じ」とする一方、北朝鮮や中国の動向を念頭に「具体の方策をどうするかが難しい」と述べたという。
両市長からは米国の核抑止から脱し、外交努力を重ねるようにも求めた。松井市長は首相の対応から「深く考えていることはよく分かった」とし、「オブザーバー参加を決断し、国会で議論を起こしてほしい」と期待。鈴木市長は「首相は苦悩を語っていた。一歩前に踏み出してほしい」と話した。
両市長は首相との面会に先立って自民党の森山裕幹事長、公明党の斉藤鉄夫代表ともそれぞれ会談。禁止条約への署名・批准に向けた議論を求める要請文を提出した。(宮野史康)
(2025年1月18日朝刊掲載)