平和教育に尽力 悼む声 黒瀬さん死去 「誠実で何事も親身」
25年1月21日
平和教育に長年取り組み、広島女学院理事長や広島YMCA理事長を歴任した黒瀬真一郎さんが17日、83歳で亡くなった。訃報を受け、ゆかりの人たちに悼む声が広がった。
「卒業生と話すと名前がまず挙がる。人望が厚い教師のかがみ」としのぶのは広島女学院中・高(広島市中区)の渡辺信一校長(63)。1969年から英語教諭を務めた同校では、生徒・教職員の被爆体験手記集「夏雲」の英訳に取り組み、教頭、校長を歴任した。
校長だった95年には「国際高校生サミット」を広島市で開催。世界を意識した平和教育に力を入れた。晩年に理事を務めたNPO法人ピース・カルチャー・ビレッジ(西区)の住岡健太専務理事(39)は「若者の可能性を信じ、常に応援してくれた」と感謝する。
女学院中・高の校務員で原爆の子の像(中区)の清掃などを40年以上続けた「広島折鶴の会」世話人の河本一郎さん(2001年死去)を支えた。広島YMCA前事務局長の中奥岳生さん(63)は「河本さんの功績を若い世代に伝える強い思いを感じた」と振り返る。
故郷の三次市では、奥田元宋・小由女美術館の理事長として文化振興に尽くした。人形作家奥田小由女さん(88)=東京=は「誠実で何事も親身。大切な人を亡くし、喪失感でいっぱいです」と声を詰まらせた。福岡誠志市長も追悼のコメントを出した。(石川昌義、桑島美帆、林淳一郎)
(2025年1月21日朝刊掲載)
「卒業生と話すと名前がまず挙がる。人望が厚い教師のかがみ」としのぶのは広島女学院中・高(広島市中区)の渡辺信一校長(63)。1969年から英語教諭を務めた同校では、生徒・教職員の被爆体験手記集「夏雲」の英訳に取り組み、教頭、校長を歴任した。
校長だった95年には「国際高校生サミット」を広島市で開催。世界を意識した平和教育に力を入れた。晩年に理事を務めたNPO法人ピース・カルチャー・ビレッジ(西区)の住岡健太専務理事(39)は「若者の可能性を信じ、常に応援してくれた」と感謝する。
女学院中・高の校務員で原爆の子の像(中区)の清掃などを40年以上続けた「広島折鶴の会」世話人の河本一郎さん(2001年死去)を支えた。広島YMCA前事務局長の中奥岳生さん(63)は「河本さんの功績を若い世代に伝える強い思いを感じた」と振り返る。
故郷の三次市では、奥田元宋・小由女美術館の理事長として文化振興に尽くした。人形作家奥田小由女さん(88)=東京=は「誠実で何事も親身。大切な人を亡くし、喪失感でいっぱいです」と声を詰まらせた。福岡誠志市長も追悼のコメントを出した。(石川昌義、桑島美帆、林淳一郎)
(2025年1月21日朝刊掲載)