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被爆者、核軍縮の停滞懸念 広島

 米共和党のドナルド・トランプ氏(78)は20日、首都ワシントンの連邦議会議事堂で宣誓し、第47代大統領に就任した。広島の被爆者たちは21日、核軍縮の停滞に懸念を強めた。指導力を核兵器廃絶や世界平和のために発揮するよう願った。

 2024年のノーベル平和賞を受賞した日本被団協の代表委員で、広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(82)は、米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約からの離脱などトランプ氏の前任期中の政策を踏まえ「核軍縮や廃絶を進めるとは考えにくい」と不安視。一方、ロシアによるウクライナ侵攻が続く現状に「世界が平和になるよう尽力してほしい」と注文した。

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(80)は、温暖化対策を巡るパリ協定などから離脱するトランプ氏の外交姿勢を「核兵器のない世界の実現は核保有国間の協調が要るが、非常に心配だ」と語る。「米国を偉大にする」と言うなら全人類の課題である核兵器廃絶に取り組むべきだと指摘。「被爆者の訴えがますます重要になる」と気を引き締めた。(小林可奈、下高充生)

(2025年1月22日朝刊掲載)

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