安田女子大生の卒論を書籍化 日本政治史ゼミ 「軍都広島の形成」
25年1月24日
安田女子大(広島市安佐南区)の日本政治史ゼミの4年生5人による卒業論文が、「軍都広島の形成」のタイトルで2月に書籍化される。卒論が商業出版されるのは全国的にも珍しいという。
ゼミの竹本知行教授(政治学)が編者を務め、戦前に旧陸軍の拠点だった「軍都」としての歩みを軸に、広島の都市形成史を考察した。鉄道▽水道▽防疫▽陸軍糧秣支廠(ししょう)▽陸軍被服支廠―に焦点を当てた5章で構成。学生5人が1章ずつ担当し、2年がかりで文献や先行研究を調べて論文にまとめた。
防疫の章を執筆した長安菜摘実さん(22)は、軍事上の必要から伝染病対策の徹底を求められた広島市が、市民に上水道の使用を促し、井戸を封鎖するなどした経緯を文献や当時の新聞を基に紹介。「軍都だったことが公衆衛生の確立に影響を与えた」とした。学生たちは「原爆以前の広島の歴史を知るきっかけにしてほしい」と話している。
四六判、約190ページ。軍事史中心の出版社「錦正社」(東京)が2月11日に発売する。(治徳貴子)
(2025年1月24日朝刊掲載)
ゼミの竹本知行教授(政治学)が編者を務め、戦前に旧陸軍の拠点だった「軍都」としての歩みを軸に、広島の都市形成史を考察した。鉄道▽水道▽防疫▽陸軍糧秣支廠(ししょう)▽陸軍被服支廠―に焦点を当てた5章で構成。学生5人が1章ずつ担当し、2年がかりで文献や先行研究を調べて論文にまとめた。
防疫の章を執筆した長安菜摘実さん(22)は、軍事上の必要から伝染病対策の徹底を求められた広島市が、市民に上水道の使用を促し、井戸を封鎖するなどした経緯を文献や当時の新聞を基に紹介。「軍都だったことが公衆衛生の確立に影響を与えた」とした。学生たちは「原爆以前の広島の歴史を知るきっかけにしてほしい」と話している。
四六判、約190ページ。軍事史中心の出版社「錦正社」(東京)が2月11日に発売する。(治徳貴子)
(2025年1月24日朝刊掲載)