×

ニュース

平和賞への歩み伝わる 中国新聞読者と報道委 政治資金提言 評価

 中国新聞の報道に社外の有識者が提言する「読者と報道委員会」の第69回会合が27日、広島市中区の中国新聞ビルであった。日本被団協のノーベル平和賞受賞の報道や正月紙面などを巡り、委員3人が編集局幹部たちと意見を交わした。

 広島大名誉教授の森辺成一さん(66)、弁護士の中村健太さん(47)、NPO法人もりのこえん代表理事の井出崎小百合さん(57)の3人が高本孝編集局長の司会で議論した。

 ノーベル平和賞受賞について、中村さんは被団協の長年の歩みに関する連載などを踏まえ「多くの人が関わってきたことがよく分かった」と評価。一方で「なぜ核廃絶に至っていないのか。核抑止力が必要だという人の考えも紹介した上で、議論を深めてほしい」と願った。

 森辺さんは「継承の課題にどう向き合うかの記事量が少ない」と指摘。若者たちの継承の試みなどをクローズアップする記事の充実を求めた。

 正月紙面について、井出崎さんは印象に残った記事として島根県西部を巡る路線バスのぶらり旅などを挙げた。「100年企業」特集にも触れ、「魅力ある企業を地域の宝としてPRすれば、若い人にも気付いてもらえる」と期待した。

 森辺さんは特集「決別 金権政治」について、自民党国会議員の政治資金の流れや透明化への提言をまとめたフローチャートを「改革の方向性を端的に示した」と高く評価。「中国新聞の代名詞とも言える、息の長い取り組みに大いに期待する」と述べた。(平田智士)

(2025年1月28日朝刊掲載)

年別アーカイブ