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平和担当の局長級 広島市が新設検討 振興・継承を推進

 広島市が2025年度の組織改編で平和担当の局長ポストを新たに設ける方向で調整に入った。市民局に置き、国際平和推進部を管轄するとみられる。被爆者の高齢化が進む中、平和文化の振興や被爆体験の継承などの推進に注力する。27日、複数の関係者が明らかにした。

 局長ポストは4月1日付で新設する。国際平和推進部には平和推進課と国際化推進課を置く見通し。広島国際会議場(中区)にある平和推進課は市役所本庁へ移転させる方向で検討している。

 市は「被爆者なき時代」を見据え、平和文化の振興や被爆体験の継承に力を入れる。平和首長会議を通じた核兵器廃絶への取り組みや、平和記念公園(中区)と米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園の姉妹公園協定に基づく若者同士の交流などを進めている。

 被爆80年となる25年度は人工知能(AI)を活用して画面上の被爆者と疑似対話ができる装置の利用を始める。原爆の日の平和記念式典や前後の平和学習に小中高生を派遣する全国の自治体に対し、旅費を補助する制度の創設なども予定。これらの平和施策を推進するため、組織改編に踏み切るとみられる。(野平慧一)

(2025年1月28日朝刊掲載)

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