×

ニュース

平山郁夫さん 平和祈る大作 松江で企画展

 尾道市出身の日本画家平山郁夫さん(1930~2009年)の企画展が、島根県松江市の県立美術館で開かれている。平和への祈りを胸にシルクロードを旅する中で描いた大作など113点が並ぶ。3月10日まで。

 平山さんは15歳のときに学徒動員先の広島市内で被爆。後遺症に苦しむ中、仏教に題材を求めシルクロードをたどった。ラクダのキャラバン隊を描いた「パルミラ遺跡を行く」は、朝と夜の2作があり、オレンジ色と群青色の鮮やかな対比が目を引く。

 平成に入って数多く描かれた日本の風景画も展示。「八雲立つ 出雲路古代幻想」は、シルクロードでの作品とは対照的に、雲南市で目にした雲海と木々の緑を豊かな色使いで表現している。

 シルクロードで収集した彫刻なども展示しており、平山さんが文化財の保護に尽力した一面も紹介する。出雲市の植田美代子さん(70)は「地元の風景が神々しく描かれていた」と見入っていた。

 一般1600円、大学生1360円、小中高生700円。火曜日休館(2月11日は開館)。(上田光)

(2025年1月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ