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広島西南平和衛星RC 被爆80年事業 復興担った企業の役割は 高校生聞き取り 新年度36社

 被爆80年に合わせ、広島西南平和ロータリー衛星クラブ(RC、広島市中区)は、原爆からの復興に地元企業が果たした役割を高校生に学んでもらう取り組みを始めた。地域への理解や愛着を深めてもらう狙い。生徒は学んだ内容や企業へのメッセージを手紙につづり、英訳付きで国内外に発信する。(岸慶太)

 「RE:DAYS(リ・デイズ)」と名付けた復興の日々を振り返るプロジェクト。県の人口流出が課題となる中、若者に地元企業の価値を伝えて定住や将来のUターンにもつなげようと企画し、修道高(中区)が応じた。24日には2、3年生6人が市中央卸売市場(西区)に元青果荷受会社社長の西村街蔵さん(88)たちを訪ね、被爆後の様子を聞き取った。

 西村さんは、広島駅前などに法外な値段の生活物資が並ぶ闇市ができた混乱期を回想。「1949年10月に現在の中区加古町に中央卸売市場ができると食料が徐々に行き渡り、復興を実感した」と記憶をたどった。

 青果仲卸の木貞商店(同)の木村行男会長(80)は、「まっとうな商売を」と闇市に出店しなかった祖父の逸話を説明。ホテルやレストランとの取引で業績が回復したとし「広島経済の発展に少しでも貢献できたかな」と振り返った。

 2年西山慶斗さん(17)は「混乱しきっていた被爆後の広島の流通がどう回復したか、断片を知ることができた」と手応えを話した。

 新年度には同高の1年生約280人が、市内の36社に同様のインタビューを重ねる予定。聞き取った復興のストーリーや企業への感謝をつづる手紙は、同RCのホームページで発信する。

(2025年1月30日朝刊掲載)

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