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「核巡る状況 押し返す」 広島大ペスタロッチー賞 WFC名誉理事長の森下さん表彰・講演

 広島大教育学部(東広島市)などは30日、優れた教育実践者を顕彰するペスタロッチー教育賞を、NPO法人ワールド・フレンドシップ・センター(WFC、広島市中区)の森下弘(ひろむ)名誉理事長(94)に贈った。東広島市の同大東広島キャンパスで表彰式と記念の講演会があった。

 森下さんは被爆者で元高校教諭。1964年に米国人平和活動家バーバラ・レイノルズさん発案の「広島・長崎世界平和巡礼」に参加し、米国などで証言活動をした。また、レイノルズさんが設立したWFCで平和学習の充実に尽くしてきた。

 講演会では、ロシアによるウクライナ侵攻など近年の国際情勢に触れ「人類は同じ過ちを繰り返さないと思っていたが、原爆投下後も深刻な状況が続いている。若い人と一緒にこの状況を押し返すために取り組んでいく」と力を込めた。

 同賞は、スイスの教育家ヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチーにちなんで92年に創設され、今回で33回目。(岩井美都)

(2025年1月31日朝刊掲載)

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