長生炭鉱 潜水調査始まる 宇部 坑口からは2回目 遺骨の回収目指す
25年2月1日
1942年発生の水没事故で朝鮮人を含む183人が犠牲になった宇部市の長生(ちょうせい)炭鉱で31日、遺骨の回収を目指す3日間の潜水調査が始まった。坑口からの潜水調査は昨年10月に続き2回目。初日は、韓国から訪れた遺族会の7人が見守ったが、遺骨は発見できなかった。
調査は大阪市の水中探検家伊左治佳孝さん(36)が担った。開始前に韓国遺族会の楊玄(ヤンヒョン)会長(77)が「遺族と犠牲者が対面できるようお願いします。安全に行ってきてください」と激励。伊左治さんは、市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が昨年9月に見つけた坑口(高さ1・6メートル、幅2・2メートル)から海に入り、約1時間半調べた。
初日の調査範囲は、坑口からの距離が約250メートル、深さ約29メートルまでだった。伊左治さんは「坑道内部にある木造の構造物が崩れ、坑口から約200メートル以降が通りづらくなっていた」と遺族会の会員たちに報告した。1日以降は構造物を避けて潜る方法などを検討するという。
長生炭鉱の水没事故は42年2月3日、坑口から約1キロの地点で坑内への浸水が発生。作業員を残したまま坑口が閉じられた。犠牲者183人のうち7割強の136人が朝鮮半島の出身者だった。刻む会の井上洋子共同代表(74)は「調査できた範囲が前回から約100メートル進み、続ければ遺骨が見つかると確信できた」と期待していた。(鈴木愛理)
(2025年2月1日朝刊掲載)
調査は大阪市の水中探検家伊左治佳孝さん(36)が担った。開始前に韓国遺族会の楊玄(ヤンヒョン)会長(77)が「遺族と犠牲者が対面できるようお願いします。安全に行ってきてください」と激励。伊左治さんは、市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が昨年9月に見つけた坑口(高さ1・6メートル、幅2・2メートル)から海に入り、約1時間半調べた。
初日の調査範囲は、坑口からの距離が約250メートル、深さ約29メートルまでだった。伊左治さんは「坑道内部にある木造の構造物が崩れ、坑口から約200メートル以降が通りづらくなっていた」と遺族会の会員たちに報告した。1日以降は構造物を避けて潜る方法などを検討するという。
長生炭鉱の水没事故は42年2月3日、坑口から約1キロの地点で坑内への浸水が発生。作業員を残したまま坑口が閉じられた。犠牲者183人のうち7割強の136人が朝鮮半島の出身者だった。刻む会の井上洋子共同代表(74)は「調査できた範囲が前回から約100メートル進み、続ければ遺骨が見つかると確信できた」と期待していた。(鈴木愛理)
(2025年2月1日朝刊掲載)